会社での給料や年俸は実質そのまるまるが収入になるのではなく、また単発のアルバイトでもその日の給料がそっくりもらえるということはありません。
例外的にアルバイトの場合は、謝礼という形がありますからそのような場合はそっくり全額がもらえます。普通には賃金の10%が源泉所得税として天引きされますし、この税率は金額によりスライド式に高くなります。
このスライド制は複雑で、税理士などでも全部は覚えきれませんから、一覧表が国から無料で支給され、それにより天引きする所得課税表を見て、それを給料から会社が差し引いて本人に代わって納税します。
次に、会社は雇用保険料を給料から差し引きます。これは会社側も半分負担します。さらに福利厚生費という名目での差し引きがあります。これは税金ではありませんが、多くの会社では差し引いていて、これを社員の福利厚生に充てます。以上が給料から差し引かれる税金などで、これらを差し引いた残りが手取りの月給になります。なお住民税は会社は関与しませんから個人で納付しなければなりません。
こうして見ると、年収が400万円のwebデザイナーでも手取りはかなり少なくなります。その手取りが本当の意味での収入であり、そこから住民税や住宅が持家の場合は固定資産税がかかりますから、決して楽ではないでしょう。おまけに住宅ローンなどをかかえていたりマイカーを所有していればさらに支出が増えます。これではwebデザイナーが給料が安いと愚痴をこぼすのも分かります。
ではもっと頑張って高い給料の会社に転職すればいいではないかと思いますが、先ほど触れました所得税は上限はあるものの、一定の比率で年収が多くなれば所得税も多くなる仕組みになっていますから、年収が1000万円でも実際にはかなりの額の税金を差し引かれます。
これは国の財務省も考えていて、所得税率はしばしば軽減される傾向にありますが、いずれにしても手取りでwebデザイナーの給料を見ますと、年収が高くなった割には手取りが少ないのが現実と言えます。
特にフリーのwebデザイナーは自宅を仕事場にした場合、最新のマックパソコンや各種ソフトウェアその他を備えなければなりませんから、その分の費用もかかります。そのパソコンも一人で2台以上はざらですから資本投下も無視できない金額になります。つまりwebデザイナーの手取りは最低でも10%の源泉税を差し引いた金額だとしますと特にフリーの場合は、そうとう気合を入れて稼がなければならないでしょう。ただし、フリーの場合はこうした備品類が経費として控除できるため、確定申告で納めた税金の一部は還付されるのが救いではあります。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。