英語でエキスパートという言葉があり、これは熟練者、達人などという意味があります。ただし熟練者や達人が一流かとなりますと、いささかニュアンスは異なるようです。何事も一芸に秀でている人はエキスパートかと言いますと、確かにその人がすることをほかの人が真似をしても追いつきません。その意味での言葉が、達人=エキスパートでしょう。
webデザイナーでエキスパートと呼ばれる人は、ウェブのことなら何でも知っているのは事実です。しかし、物知りだからその人が制作するウェブサイトが群を抜いているかとなりますと、そうでもないようです。そう考えますとエキスパートのwebデザイナーとは、卒なく楽々とある一定レベルのウェブサイトを短時間で制作できる人とも言えそうです。
そのような人は頼りになりますから、引く手あまたでしょうし、フリーランスにもなれます。また経験が豊富ですから、ウェブサイトの不具合を点検するのもお手のものでしょう。そうなると一流のwebデザイナーと、webデザイナーのエキスパートとの線引きが難しくなります。しかい、大概は一流のハイレベルなwebデザイナーはエキスパートであることは確かです。熟練していなければ良い仕事をスムーズにやってのけられません。
ここで民間が発表している、Webデザイナー検定エキスパート資格なるものを見てみましょう。その試験内容は、ウェブサイトのコンセプトメイキングや情報の構造、インタフェースなど、ウェブデザインの基礎から、実際の制作に必要なページデザインや動きと音の効果、公開前のテストと評価、運用までの知識をについてウェブサイト制作に必要な能力を試します。
さらに、ウェブサイトの制作を行うのに必要な知識を有し、ディレクターの指示に従って、実際のサイト制作に必要な制作方法を分析し、知識を応用することができるかを問うものです。こうなりますと、エキスパートとはウェブサイト制作で無くてはならないことをできるwebデザイナーということになります。そこにはエキスパートという言葉の本来の意味が薄いように思えます。ほんとうのwebデザイナーのエキスパートは、そうたくさんいるとは考えられません。多くのwebデザイナーは毎日の仕事で試行錯誤を繰り返し、失敗もするでしょう。時にはお手上げの状態になるような局面にも出会うでしょう。そのような壁を乗り越えてこそwebデザイナーのエキスパートになれるのではないでしょうか。
ちなみに、多くのwebデザイナーはエキスパートを目指していますが、エキスパートでも知らないことが多々あるのがウェブの世界だと言えそうです。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。