繁華街を歩くとティッシュを配っている若い人を見受けます。このティッシュと一緒にチラシもついてくることがあります。チラシを見ると、近くにあるレストランの改装新規オープンの宣伝です。このチラシはもしかすると未経験グラフィックデザイナー求人に応募して採用された人が制作したのかも知れません。未経験とはまったくの素人ではありません。デザイン制作会社の求人で未経験とあるのは、正式にグラフィックデザイナーの仕事をした経験が少ない人のことです。
正確に言えば、未経験グラフィックデザイナーとは、それほど実務を経験していない人と解釈することができます。自宅で遊び心からデザインをしてみたなどという人は、未経験です。しかし未経験でも、パソコンの操作とソフトウェアの使い方は曲がりなりにも知っているのです。これは求人の面接でレベルが分かりますから、採用をする側はその程度を見極めることになります。○○デザイン学校を卒業したが、別の仕事をしていたなどという未経験は歓迎されるでしょう。それはその人がやはりグラフィックデザイナーの仕事をしたいという熱意があるからです。グラフィックデザイナーはやる気が第一です。好きでなければ務まらないのがデザインの仕事なのです。時給に魅力があるなどではないのです。
そこで未経験のグラフィックデザイナーでも、多少は実務を経験したことがあれば、即戦力になり得ますから、試しにこのレストランのチラシを作らせてみようなどとなるのです。そのチラシは先輩のグラフィックデザイナーには易しすぎますから、未経験の人には丁度良い仕事になります。未経験のグラフィックデザイナーは全神経を集中して画像のレイアウト、コピーのフォント選びをします。もちろん出来上がった画像がそのまま採用されることは無いでしょう。やり直しもあります。これが経験になり未経験という肩書が無くなるのです。
さて、どうにか試行錯誤の末にその未経験グラフィックデザイナーの手になるチラシの印刷用電子データが完成しました。あとは印刷に回して色校正をすることになります。パソコンの電子データは印刷の時に色合いが微妙に変わりますから、色校正で補正をします。そしていよいよ本刷りになり、刷り上がったチラシは街で歩いている人に配られるのです。時には自分が制作したチラシを受け取ることもあるでしょう。そのような時には未経験グラフィックデザイナーは嬉しいのです。自分の制作物が役に立っているのです。クリエイティブの仕事であるグラフィックデザイナーが喜びを感じるのは、このような時なのです。そうするとそれを制作していた時の辛かったことは忘れてしまうのです。
- この記事を書いた人
-
IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。