最近のグラフィックデザイナー求人で、アニメもできることと言う条件がしばしばあります。ではこのアニメとは、どのようなことなのでしょうか。日本は漫画とアニメ大国として、この分野では世界中から一目置かれています。人々の会話でもアニメという言葉は普通に使われていますが、ではアニメ、アニメーションとはどのようなものかと聞かれると答に詰まります。アニメとは動画のことと解釈しましょう。印刷物の漫画はコマごとに静止していますが、それを連続動作にしたのがアニメです。
アニメとグラフィックデザイナーとの関係はどのようなものかと言いますと、それにはアニメのつくりかたを知らなければなりません。アニメにはストーリーがあるのが通例です。そこでストーリーに基づいた絵コンテが書かれます。これは紙に鉛筆での手書きです。次いで、その絵コンテをベースにクリエーターと呼ばれる絵描き者は原画を描きますここではキャラクターやその動きを描きます。それからその絵の隙間を埋める絵が描かれます。このあとでは以前はセルと呼ばれるフィルムに細かい動きなどを1枚ずつ描いていましたが、ここでグラフィックデザイナーが本領を発揮します。アニメ制作がデジタル化された今ではこの仕上げの部分でグラフィックデザイナーがパソコンを使って色をざっくりと塗ります。デジタルですから仕上げは手作業よりははるかにスピーディにおこなえます。
これがアニメの大まかな制作過程ですが、この過程でグラフィックデザイナーは絵コンテはともかくとして、原画から以降の作業を受け持ちます。したがってパソコンで絵を描いていく絵描きさんになるのです。これは時間がかかります。いくらパソコンでデジタルだからといっても簡単な作業ではないのです。このアニメ作業が発展するとアニメ映画の世界になり、そこまでいくとグラフィックデザイナーの仕事ではなくなりますが、それでもパソコンを扱うという点では、グラフィックデザイナーとアニメは無縁ではありません。
このようなことから言えるのは、今や印刷媒体だけを対象としてきたグラフィックデザイナーがさらに、幅広い作業能力を要求されるようになってきていることです。2Dや3Dもそうですが、アニメもグラフィックデザイナーに要求されるのです。ただしこの要求は今のところ一部のクライアントからですから、普通にはあまり考えなくても良いでしょう。
しかし、これからさらに好条件での待遇を望むとすればアニメもできるという能力をグラフィックデザイナーは要求されることになりそうです。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。