会社に勤めていた人が独立すると、個人事業主のフリーになります。これは営業マンなどではまず考えられないことで、独立してフリーになれるのは制作関連の人です。フリーになるとたいていは自宅を作業場兼住居にして、朝から晩までが勤務時間になります。仕事を受注するためには慣れない営業の役目もしなければなりませんから、フリーになるのは安定したクライアントを複数獲得してからのようです。
フリーのグラフィックデザイナーになるのには、かなり腕に自信がなければならないでしょう。その腕の良さを評価されてクライアントから指名されるようにならなければ、フリーになるのはやめておいた方が無難です。さらに経済的に余裕があればフリーと言うよりは会社を経営します。まさに独立して自分のお城を構えるのですが、その時に若手のグラフィックデザイナーを確保したりもしますし、気の合った同僚を引っ張ることもあります。
ただし、勤めていた会社との話し合いはちゃんとしなければ円満退社はできませんから、妨害を受けるかも知れません。実際にそんなケースを見たことはありませんが。
円満に会社を辞めてフリーになるグラフィックデザイナーは、どの程度の年収があるのでしょうか。持っているクライアントからの受注の量にもよりますからはっきりはしませんが、少なくとも会社に勤めていた時の収入以上にはなるでしょう。また、そうでなければ独立した意味がありません。
業界で名前が売れているフリーのグラフィックデザイナーは年収が600万円から1000万円にはなりそうです。会社に勤務していたときの年収が400万円程度であれば、独立をした甲斐があるというものです。
問題はその後で、このクライアントを何年も繋ぎ止めてコンスタントに仕事を受注しながら、さらに新規開拓をおこない、外注のネットワークもつくれば、フリーのグラフィックデザイナーは安定した生活ができます。ただし、一歩間違えるとノークライアントの状態になり、いまさら会社に再就職も難しいという状況になってしまいます。その意味ではグラフィックデザイナーが独立してフリーになるのはかなりの冒険と言えるでしょう。しかし、考えてみれば勤めていたデザイン制作会社も同じ立場なのです。違うのは会社ではしっかりと営業が仕事を受注してくるのに対して、フリーのグラフィックデザイナーはそれもしなければならないと言う点だけです。
したがって、営業マンを契約社員のアルバイトで求人をしたりすれば、フリーも会社も同じことになりますから、やり方次第では利益率をアップさせることができます。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。