人には頭脳と心があり、身体があります。そしてそこに技が加わり心技体という完成された人が生まれます。どのような仕事にも共通しているのが心・技・体で、このどれもが必要ですが、そこには自ずからレベルという壁があります。頭脳と心のレベルはセンスとアイデア、そし感性です。体はタフな身体で、技がスキルあるいはテクニックです。
グラフィックデザイナーには、この心技体のどれもが必要ですが、心は練習では得られないものがあります。体は健康に留意して正しい生活サイクルを維持するように心がければ何とかなるでしょう。技は練習でしか得られません。スキルは考えているだけでは向上しませんし、いくら身体が丈夫でもスキルアップにはつながりません。スキルアップにはとにかく練習しかないと思いましょう。机上の空論、絵に描いた餅、紙のお月様などと言うことわざや言葉がありますが、これは頭で考えているスキルのことです。
実際にスキルアップを図るのには、このように最終的には練習しかないのですが、そうなると合理的な練習が必要になります。ただ機械的に練習をしていても、その多くは無駄な練習になります。野球では素振りを1日に1000回などという練習があり、これを否定するわけではありませんが、グラフィックデザイナーの練習は、1日に1000回パソコンのキーボードを叩けば良いというものではないのです。
グラフィックデザイナーのスキルアップには練習だと申し上げましたが、実はそれ以外にも他人の作品を見るという心の練習も必要になるのです。ほかの作品を見て、良いと思ったところは真似をしましょう。言葉は悪いのですが真似るということは学ぶことに通じます。畑違いの話になるかもしれませんが、どのような名人と言われる落語家でも、プロ野球選手でも、先達の真似をして自分のものを創りあげているのです。
良いものは良いという素直な気持ちと、それを超えようとする欲が、グラフィックデザイナーのスキルアップには必要になります。真似で終わってしまってはスキルアップになりませんが、そこから何かを吸収して、自分のものを創りあげようというチャレンジ精神がスキルアップにつながるのです。もちろんそのためには知識もテクニックも必要になりますから、練習が第一と申し上げたのです。
まとめますと、グラフィックデザイナーのスキルアップには、どうすればこのようなことができるのかという疑問を持ち、それを解くための練習をすることが必要です。言い換えれば常に勉強をするという心構えと難しいことにチャレンジする気持ちがスキルを磨き、スキルアップにつながると言えるでしょう。
- この記事を書いた人
-
IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。