生涯現役という言葉がありますが、グラフィックデザイナーで生涯現役の人もいるようで、そのような人はグラフィックデザイナーとして一罪をなした有名人と言えます。デザイナーと言う仕事はセンス、感性、アイデアが必要で、そこにスキルが加わります。その意味でどうしても若いうちの仕事と考えられがちですが、一方で経験という財産の引き出しが増えるのは、ある程度年齢が高くなってからでしょう。
こうして考えますと、グラフィックデザイナーの年齢はいくつでも構わないことになりますが、実際の求人を見ますと転職などのタイミングは40歳前後のようです。どうして40歳前後、あるいは30代のグラフィックデザイナーの求人が多いかは、会社の人事規定も影響があるのではないでしょうか。今は60歳での定年が若干延長する傾向はありますが、これが理由の一つかも知れません。例えば、40歳で転職をすると20年間が実働年数になりますから、20代で入社した人の半分になります。
一方で、センスや感性はともかく、20代や30代は体力的にタフだと思われています。結構体力的にタフな場合があるグラフィックデザイナーの仕事は40代以上では難しいと思われているようです。実は20代でもすぐに体調を崩す人は40代の人と同じなのですが、若いと言うことは身体的に無理がきくと思われているのです。また、アイディアが湧き出るのも20代、30代だと思われている節があります。アイデアはある意味では経験から出てくるものだと思いますが、経験が豊富なのは40代以上では余り評価されないようです。
求人などを見てきますと、グラフィックデザイナー求人の多くは40歳以内です。しかし、では40歳を過ぎたらグラフィックデザイナーとしては通用しないのかと言いますと、その逆でまさに働き盛りは40代、50代なのではないでしょうか。甘い辛いも知り尽くした年齢ですから、無駄なことはしなくなり、合理的な制作をするのはある程度年齢が高くなってからでしょう。20代で入社して10年を過ぎると会社の中軸的な存在で、そのようなグラフィックデザイナーはアートディレクターとして後輩の指導・監督をするようになります。それが40代、50代です。
また、30代で独立をして自分で会社を設立したり、フリーランスになったグラフィックデザイナーは、それこそ生涯現役で働くことになります。グラフィックデザイナーの年齢を考える際には求人での年齢とフリーランスあるいはベテランのグラフィックデザイナーの年齢の両面を見なければならないでしょう。少しでも長くグラフィックデザイナーとして働きたい人は定年まで頑張るか、あるいは独立をしてフリーな立場になるかのいずれかを選ぶことになるでしょう。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。