労働関係の言葉に、離職率があります。離職率とは従業員がある一定の期間はその職場で働いていて、その職場から辞めていく割合のことです。つまりその仕事自体をしなくなることもありますが、別の職場に移る転職も含んでいるのが離職率と考えられます。
その意味では、離職率は転職率とも言えるでしょう。もちろん離職率が高いのは労働者にとっては良いイメージではありませんし、離職率が高い業種や業界はブラックではないかという目で見られることもあるでしょう。
このようなことを踏まえてwebデザイナーの離職率を見ますと、やはり高いと言うのが一般的に言われています。つまりwebデザイナーの定着率が低いということになります。言い換えれば、webデザイナーをはじめたが才能がないので廃業をして別の業種に勤めるという人もいれば、この職場は先の見通しが立たないから、もっと条件が良い会社に転職をしようと言う人が多いのです。
このどちらが多いのかは分かりませんが、多分webデザイナーの離職率が高いのは後者のほうで、職場を転々とするwebデザイナーが多いのではないかと考えられます。
その理由は、webデザイナーの仕事がハードだからというのが一番でしょう。つまりそのようなwebデザイナーはいわゆる、こき使われているという印象を持つのです。これだけ忙しく働かされても、それに見合う納得ができる給料や待遇ではないと判断するからです。そうなると当然、別の会社を探して良い条件の会社の求人に応募します。ところが期待していたのに当てが外れるとそのwebデザイナーはまた離職してしまいます。この繰り返しがwebデザイナーの離職率が高い理由になるようです。
これは現実的には致し方が無いと言えばそれまでですが、ウェブ業界の断面を見るような感じがします。
つまりウェブ業界は過当競争ですから、その一方でwebデザイナーを必要としているのです。
webデザイナーがいないウェブ制作会社は成り立ちませんし、未熟なwebデザイナーが何人いても仕事にはなりません。そうかと言って優秀なwebデザイナーがひとりいればいいと言うことでもありません。そこでとりあえずwebデザイナーの求人をしますが、そのすべてに高条件を提示することはできません。
このいたちごっこのような現象が、webデザイナーの離職率が高いことにリンクしていると考えられます。理想的にはwebデザイナーが満足できる給与待遇ができるような受注ができるウェブ制作会社であればwebデザイナーの定着率が高くなり、したがって離職率は低くなるのではないでしょうか。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。