ところで、この職務経歴は就職の際にどこまで重要なのでしょうか。これは職種によりその重要度が変わるようですが、グラフィックデザイナーの場合は参考程度だと思います。その理由は、グラフィックデザイナーは職務経歴で仕事をするわけではないからです。グラフィックデザイナーの場合は、例え以前有名な広告代理店やデザイン会社に勤務していた経歴があっても、それは事実としてであり、採用する際の決め手にはならないでしょう。グラフィックデザイナーに大切なのは職務経歴よりも実力だからです。
どのように立派な職務経歴を持っていても、そのグラフィックデザイナーの能力が優れているとは限らないでしょう。グラフィックデザイナーは、単独での仕事とチームの一員としての仕事があります。特に、チームの一員としての仕事はチーム全体のものであり、個人のものではありません。そこで話は少し変わりますが、チームとしての仕事を経歴に書く時には、その旨を明記した方が良いでしょう。特に大きなイベントの広報関連の制作に従事していた場合は、○○イベントの制作(チームの一員として)というように書くほうがベターでしょう。これが無いとあたかもそのイベントのための制作物を自分だけで制作したような誤解を招きます。
話を、グラフィックデザイナーと経歴に戻しますと、結論的には経歴で採用はされないようです。採用される条件は経歴よりも実力でしょう。経歴が豊富だからと書類だけで採用されることはなく、実際にトライアルをして、そこで判断されるのが通例です。
したがって、グラフィックデザイナーの場合は経歴よりも実力が物を言います。経歴は平凡なのに実力が優れていれば、採用担当者はそれを評価するでしょうし、またそうでなければ採用する意味がないのです。我が社には元○○に居たグラフィックデザイナーが居るというのはどうでもいいことなのです。
グラフィックデザインの作品は無名であろうと経歴が平凡であろうと、それは作品には関係のないものです。グラフィックデザイナーに必要なのは、実力と潜在的な将来性だと言えるでしょう。ちなみにあまり短期間の間にいくつも職場を移っているような経歴があると、長続きがしない人だと見なされて、採用を見送られるかも知れません。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。