企業は、会社と名がつけば大企業も小企業も同じかといいますと、会社法的には大体同じでも実際は異なります。大企業では社長が直接採用に立ち会うようなことはありませんが、小さな会社では経営者である社長が直接採用の面接をおこなうのが、普通です。中には人事担当者が居て、書類選考まではその人の裁量に任せるようですが、最終的な面接ではやはり経営者が直接タッチするようです。
会社の経営には、経営者の考え方が反映します。どのような会社かは経営者の考え方次第なのです。そこでグラフィックデザイナーを採用する際に、その会社の現場では有能なグラフィックデザイナーであれば、今はスキルが未熟でもしばらくすれば上達するような人が良いと思っていても、経営者である社長が目先のことを重視すれば、将来性よりも即戦力を重視した採用になるでしょう。この逆の場合もあり、現場では即戦力になるグラフィックデザイナーを欲しいというのに、社長は将来性がある新卒を採用するかも知れません。
また、経営手腕はあってもグラフィックについては現場のアートディレクターを信用する社長であれば、給与面その他の待遇については気にしますが、実力についてはそのアートディレクターの意見を聞き入れて、採用に踏み切るようです。会社の顔は経営者で、グラフィックデザイナーはどちらかと言えば陰に居る人ですが、そのグラフィックデザイナーが実は会社の財産なのですから、採用では実力が人柄にプラスされるのです。したがって、グラフィックデザイナーの採用では経営者は応募してきた人の人物評価をし、別の人が実力の評価をして、その総合的なことで採用が決まるとも言えるでしょう。
そこで採用の条件をまとめてみますと、(1)グラフィックデザイナーとしての能力があること、(2)長く働いてくれそうな人であること、(3)人柄が良いこと、(4)身体が丈夫であること、(5)良い意味で協調性があること、(6)欲を言えば将来性があること、などになるでしょう。グラフィックデザイナーの能力があることはポートフォリオで分かりますし、長く居てくれそうな人は職務経歴から判断されるでしょう。人柄が良いのは面接でのコミュニケーションが物を言うでしょう。身体が丈夫であることは場合により医師の診断書が必要になるかも知れません。協調性についても面接のコミュニケーションで大体はわかるでしょう。将来性については面接だけでは分かりませんが、年齢が若いほうが得になるでしょう。
採用条件はこのほかにもありますが、その求人が急を要する場合は多少のことはともかくとして、即戦力が求められますから、それを考えるとやはりグラフィックデザイナーに一番大切なのはレベルが高いスキルだと言えそうです。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。