まず、DTPとは英語のDesk Top Publishingで、日本語に直訳すれば卓上出版です。これでは何のことか分かりませんが、卓上はパソコンのことで、デスクにあるパソコンで出版物を制作するということです。言い換えれば、パソコンを使って印刷物を制作するのがDesk Top Publishingと言うことです。
そうなりますと、DTPデザイナーはパソコンでデザインをする人ということですから、デザインをすると言う点ではグラフィックデザイナーと同じことになります。なぜ、グラフィックデザイナーとDTPデザイナーというふたつの言葉があるのかと言いますと、従来グラフィックデザイナーはパソコンを使わなかったからです。以前はグラフィックデザイナーがデザインの構成を組み立てて、それを電子データにするためにパソコンを操作するDTOオペレーターに指示していました。しかし、今では多くのグラフィックデザイナーは自分でパソコンを操作しますから、グラフィックデザイナーとDTPデザイナ―の区別が難しくなりました。
言い換えれば、パソコンを使うグラフィックデザイナーとDTPデザイナーは同じ人と言えるでしょう。どちらもデザイナーであり、パソコンを操作することが出来るのです。したがって、グラフィックデザイナーはDTPデザイナーと同じことだと考えても間違いではないでしょう。求人でグラフィックデザイナーを求む、DTPデザイナーを求む、とあれば、どちらもパソコンでデザインができる人を求む、と解釈すれば良いでしょう。どちらも作業内容に変わりはないのです。
強いてグラフィックデザイナーとDTPデザイナーとの相違点をあげるとすれば、グラフィックデザイナーはデザイン構成・企画に重点が置かれ、DTPデザイナーはパソコンの操作に重点がおかれるという解釈ができるでしょう。しかし、今ではグラフィックデザイナーはパソコンでデザインの企画や構成を考え、それを最終段階の印刷用電子データまで仕上げるのが当たり前になっています。
したがって、もう今ではわざわざDTPデザイナーと、ことさらパソコンができるデザイナーと区別しなくてもグラフィックデザイナーというだけでいいのではないかと思います。
DTPデザイナーと言いますとグラフィックデザイナーとは異なることをするデザイナーのように聞こえますが、印刷物のための電子版下データを制作するという作業はまったく同じなのです。グラフィックデザイナーとはDTPデザイナーであり、DTPデザイナーはグラフィックデザイナーだと考えれば良いのではないでしょうか。
- この記事を書いた人
-
IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。
