IT化の波は、今では日常生活に浸透し、多くの人がパソコンやスマートフォンで、いつでもどこでもインターネットにアクセスをしています。この時代の流れはWebデザイナーと呼ばれる新しい職業を生み出しました。Webとはwwwで始まるインターネット上のサイトのことで、このサイトを構築するのがWebデザイナーです。
では、なぜデザイナーという言葉があるのでしょうか?
それはインターネットにあるサイトをデザインするからです。インターネットのサイトは従来からあり、今でもある印刷物に代わって、パソコンやスマートフォンの画面を媒体にしています。ですから、印刷物は手に取ることができますが、サイトはそれを出力しなければ手にすることはできません。ただ、それだけの違いが、Webデザイナーという職業を生み出したと言えます。
言い換えれば、デザイナーとしての基本はグラフィックデザイナーもWebデザイナーも同じなのです。ただ異なるのはその最終段階の出力方法に違いがあるだけです。グラフィックデザイナーはポスターやチラシ、パンフレットやリーフレット、DMやカタログなどの印刷物を意識してデザインをおこないます。一方でWebデザイナーはインターネットのサイトという媒体を意識してデザインをおこないます。グラフィックデザイナーとWebデザイナーとの相違点はここにあると言えるでしょう。
では、具体的にグラフィックデザイナーとWebデザイナーとの違いはどこにあるかと言いますと、先述のように、デザインをする対象が異なるので、デザインをする際の手法と方法が異なります。A全サイズの大きなポスターと15インチ以下の画面に収めるサイトでは見せ方が異なりますから、それを意識しなければなりません。
どちらも同じだという意識でデザインをすると、特にWebデザインではサイズの制約がありますから、同じようにはできないのです。ポスターを意識してのデザイン構築をそのままサイトの画面にはめ込むことはできますが、それは無理があると考えられます。もうひとつのグラフィックデザイナーとWebデザイナーとの相違点は、Webデザイナーは原則としてパソコンで制作したデザインをインターネットのサイトにするためのコーディングという作業をします。
これはデザインの領域外の作業で、プログラミングの知識とスキルが必要になります。この場合Webデザイナーはある意味では電子エンジニアだと言えるでしょう。これがグラフィックデザイナーとの大きな違いで、Webデザイナーはグラフィックデザイナーであると同時に電子エンジニアでもあるのです。
印刷物は見るためのものですが、Webはアクセスしてきた人が使うためのものです。見せることを目的としたもの、使ってもらうことを目的としたものとでは根本的に発想が異なり、Webデザイナーは見た目の美しさだけでなくユーザビリティと呼ばれる使いやすさも考慮しなければなりません。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。