エディトリアルデザイナーとは
時々見かける求人で、エディトリアルデザイナーを求むというのがあります。舌を噛みそうな発音ですが、このエディトリアルとは何なのでしょうか?エディトリアルとは編集という意味で、主にパンフレットや書籍などページ数が多いものをまとめる編集作業を指します。
新聞や雑誌を作るのも編集が必要で、何十ページあるいは数百ページにもなるパンフレットや書籍をつくるのにも編集という作業は不可欠です。通常この作業は、編集者という職業の専門家が行います。
編集者はその印刷物に必要なすべての素材を探しだし、あるいは作りだして、最初から最後までの流れを構築します。ここまではグラフィックデザイナーの出番はまずありません。
グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーの仕事は、編集者が用意した素材をページにどのようにレイアウトをするかという時点から始まります。例えば、300ページにもなる企業の50年史を制作するとしましょう。それにはその企業の50年の歩みと、その間に起きた出来事があります。
また、その企業が幾多の難関をどのようにして乗り越えたかを語る座談会もあるでしょう。そこには写真やイラスト、グラフや表などが素材として文章とともにあります。
これを目次構成から始めるのが編集の作業で、主体は編集スタッフになります。この編集スタッフはここまではできますが、それをビジュアルにするノウハウはありません。
そこでグラフィックデザイナーがこれらの素材を適所に配し、目次に沿ってレイアウトをしていくことになります。この際にグラフィックデザイナーに編集の能力があれば鬼に金棒でしょう。
編集スキル+グラフィックデザイン=エディトリアルデザイナー
エディトリアルデザイナーは編集スタッフの構成案がどのようなものであるかを理解し、デザインに落とし込む能力が要求されます。
例えば、この年表は縦組みが良いか、横組みがベターかなどを判断するセンスが必要になります。また、小さいサイズでレイアウトをしたためにそのグラフが読めないようでは困りますし、逆に小さくても構わないグラフを大きくしたりすると読者にとって見やすいデザインとは言えなくなります。
いずれにしてもエディトリアルデザイナーは単純なグラフィックデザイナーではなく、編集という分野がどのようなものかを十分に理解していなければなりません。これは特殊な才能と理解力が要求されますから、新人などでは歯が立たないでしょう。
多くの場合、エディトリアルデザイナーは編集に関する豊富な経験を持っているグラフィックデザイナーだと言えるでしょう。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。