デザインでも文章でも、文字を使います。この文字はパソコンの中に入っている書体で、これをフォント(Font)と言います。ひとつのフォントは活字のワンセットで、多数の文字を含んでいます。ですからフォントは書体データのことで、パソコンで使う書体をデジタルフォントと呼ぶ場合もあります。
フォントはいくつかの専門会社が制作していて、いろいろな名前がつけられています。制作会社によりフォントは特徴がありますから、グラフィックデザイナーは自分が好きなフォントを使いますが、クライアントから指定されることがあるかも知れません。またグラフィックデザイナーがこのフォントがこのビジュアルには合うと思っても、管理者であるアートディレクターから、別のフォントを使うようにと変更を余儀なくされることもあるでしょう。さらにいくつかのフォントを、ひとつのビジュアルに使うこともあるようです。
フォントの種類は別として、フォントには等幅フォントとプロポーショナルフォントがあり、一般的にはプロポーショナルフォントのほうが読みやすいと言われています。このほかに、ビットマップフォントというのがあり、これはドットを組み合わせて文字にするフォントです。ドットの数は16ドットから48ドットまであり、これがスケーラブルフォントに変わってきています。スケーラブルフォントは拡大や縮小が自由自在です。また、ストロークフォントというのもあり、CADシステムやプロッタなどで使われます。袋文字と言いますがこれはアウトラインフォントと言います。文字の内側と外側を線で囲うと袋に文字を入れたようになります。
このようにフォントはさまざまで、グラフィックデザイナーがどのようなフォントを使用するかはデザイン会社などでは会社として統一をしているところもあるようです。フォント一式のソフトウェアを出している会社はいくつもありますが、有名なフォントでも時代遅れだとなると誰もそのフォントを使わなくなったりするようですし、逆に古いフォントなのになぜか復古調で使われ出したりします。
フォントはグラフィックデザイナーにとっては重要なビジュアルファクターですから、グラフィックデザイナーはフォントを文字として捉えるよりも、画像として考えるようで、あまり凝ったフォントを使うと読みづらいこともあります。
グラフィックデザイナーの中にはなぜこのようなフォントを使うのかと首を傾げたくなる人が居る一方で、フォントが何とも言えないビジュアルで、それで全体のデザイン・レイアウトが生きてくる作品を作る人もいます。
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IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。